ちょこれーとぼーい(♂)










 「うわぁ。ブラウスまでびしょびしょ。
  志麻にぃジャージ貸してっ。」


 「………んもっ。美優はほんま……。」




 志麻にぃは言いたそうにしていたけど

 言わずに呆れた顔をして

 奥の棚からジャージを取ってくれた。




 だってここに居るのは幼馴染みと

 小さい頃から知ってるお兄さん。


 この話を皆の前ですると驚かれるけど

 中2まで一緒にお風呂に入っていた

 仲でもあるし…今更気にしない。






 「ぶっ!!!!!!!。」




 堂々と涼太の前でブラウスを脱ぐと

 涼太の口から志麻にぃに入れてくれた

 珈琲を吹き、ごほごほとむせていた。





 「……俺、美優の将来が不安やわ。」



 「えっなんで?!。」


 「こんなんで彼氏とか
  出来るんやろうか…。」




 むせている涼太の背中をさすりながら

 本当に心配そうな顔をする志麻にぃ。


 ようやく収まりほっとする涼太をみて

 私はふっと鼻で笑う。






 「無理だったら志麻にぃが
  引き取ってくれればいいもんっ。」


 「ぐはっ!!!ごほごほ!!!」



 再び向けはじめる涼太。

 むせたり収まったり…忙しい人だなあ。




 私の中では結構本気なんだけどなぁ。


 だってこんな私に彼氏とか

 できるわけないもん。









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