アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
「先輩、ほんっとに何も覚えていないんですか?」
「う、うん…」
お恥ずかしい話です、千夏ちゃん…
ボウルランチを素早く平らげ、
私の昨日の出来事を全て話したら、呆れた顔で私に問いかけた。
「うーん、居酒屋を出るところまでは、うっすらと覚えてるのよねぇ…
いつもよりたくさん飲んじゃったし…」
食後の飲み物を持ってきてくれた店員さんに
空のお皿を渡し、私のカフェオレと千夏のコーヒーを受け取る。
「先輩っ、もうそのヒトと付き合っちゃえばいいじゃないですかっ!
向こうも結婚前提に、って言ってるんだし…」
猫舌な千夏はコーヒーをふーふーと何度も息を吹きかけ覚ましている。
「えー! だって、10年ぶりくらいに会ったんだよ、
小さい頃は、苛められた記憶しかないし、
今、好きかどうかも、わかんないし…」
そうだよ…10年の間、まったく音沙汰なかったんだし
好きとか、嫌いとか…の感情なんて…
「千夏、私、やっぱり、断るっ」
持っていたカフェオレを一口飲んで、テーブルに置いた。
「ええー?! ダメですよ、そうすぐに結論出しちゃ!、
あの占い師も言ってたじゃないですか!
複数の男性と知り合うって!
だから、もう少し様子見ましょっ!ねっ!」
ねっ、って、何か、千夏ってば、楽しんでない?
「あ、」
腕時計をチラリと見た千夏は、席の背に置いたカバンを膝の上に置き
財布を取り出して、ランチの代金をテーブルに置いた
「じゃぁ、私、行きますねっ、勝手に結論出しちゃ絶対ダメですからねっ!」
そして
席を立ち手を振りながら、カフェを後にした。