アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

「先輩、お疲れ様でしたぁ~
もー、夕方から4組ですよ、4組!
いくら私と先輩が優秀だからって、
もっと、余裕もって予約入れてほしーですよねぇっ!
でも、まぁ、ガッチリ契約したから、いいですけどねっ!」


はははっ、
優秀って…自分で言うかな、千夏っちゃん

確かに、今日に限って私と千夏と
まだ2年目の社員2人しか居なくてもっとゆっくり接客したかったな、
まぁ、次回の来店も予約済だし、その時に、フォローしよう

お店の戸締りをし、残っていた専務に挨拶し、着替えて、外へ出た。


「さぁ、先輩、どこ行きます?」


「んー、この前出来たカジュアルフレンチのお店、行ってみたいなぁ」


「そうですねぇ、オープンしたての頃は混んでたけど、
もうそろそろ大丈夫ですよね…行ってみましょ」


帰り道とは逆方向へ2人で歩いて行った


お店の前に着き、週末のせいか、少し混んでいた
入り口の店員さんが
少し待てば席を用意してくれる、と言ったので待つことにした

だけど…このお店の雰囲気…使ってある素材に造り…
私がよく行くカフェと空港の【オーシャンブルー】によく似てる…

もしかして…
席が用意出来て店員さんにテーブルに案内された時、聞いてみた


「あの、こちらを設計された方、
もしかして、小野田さんて方じゃありません?」


私たちを案内してくれたその店員さんはこの店のマネージャーさんらしく
小野田さんのことを私たちに褒めちぎって語って戻っていった


「先輩、小野田さん、建築業界じゃかなり有名な人物ってワケですねぇ
これはもう、狙うしかないですヨ!」


千夏が勝手に納得顔で私に言う


「私は、そんな気ないってばー…
それなのに、小野田さんっ……」


自然と出た言葉の端を千夏は聞き逃さなかった


「それなのに…?!」

うわ…やっちゃったわ…
興味津々の千夏の瞳…


あー…
もーわかったわよぉー
ちゃんというから許してぇー

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