和田菜月物語

【話は聞いたわ】

「麻弥…」

【だからね1つ提案があるの!】

「何…?」

【私と一緒に住まない?】

「はっ!?」

【今すぐじゃなくて良いの!】

「でも…」

【よく考えてから返事をちょうだい】

「えっ、ちょちょちょっと!」

【じゃあ!】

「麻弥!?」

【プープープー】

「切れた…」

麻子はその場で大の字になった。

「麻弥の家か…」



その日から数日後…。

麻子は麻弥の家に引っ越した。

それが今の家だ。

麻奈は何で引っ越したのか
分からないままだが…。

その時気がついた。

麻奈は
両親が死んだショックで
記憶が飛んでいる。
いじめ・両親の死の記憶を…。

そのかわり
麻奈の消えた記憶は
麻子の記憶になった。

麻子はつらい記憶を。
麻奈は幸せな記憶を。

そう。
麻奈は何も知らずに
この学校に来たのだった。