和田菜月物語
「…で?」

私は西山に聞いた。

「で?って何がだ?」

私は西山の方を見て

「とぼけるな!何て答えたのさ!?」

西山は私の目を見た。
そして笑って言った。

「言えなかった」

「…はっ!?」

「しょうがねぇよ麻奈になったんだもん」

「誰が…?」

「麻子がだよ」


私は腰が抜けてしまった。

「でも」

西山は私を見てこう言った。

「俺は麻子の方が好きだ」

私はそれを聞いたら笑ってしまった。

「ん?でも6時と何の関係が?」

「あー。片桐の親が死んだときに電話が鳴った時間が5時から6時の間で、麻奈はトラウマで
出てこないんだ」

「その時間がトラウマなの?」

「そう言う事だ」

「ふ~ん…。じゃあ麻奈は明日まで出てこないの?」

「まぁ、6時を過ぎたからな」

「過ぎたら出てこないんだ」

「YES」

(英語って未来と似てるな…)

「じゃあ俺はもう行くな」

「うん」

「麻子を探してくるわ」

そう言って西山は帰って行った。

「亮磨の過去だけ知らないなぁ…」

私はそんな事を思っていた。

そして
1人寂しく星を眺めていた。
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