パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「離婚……するかもしれない」


「えええっっっ!!!」


運転している最中に突然、重大発表はやめて欲しい。
危険極まりない。
青木は周囲を確認しながらとりあえず路肩に車を停める。
風にさらわれたピンクの花びらが一枚、車のボンネットに落ちた。
青木は大きく深呼吸をして、梓の方を向いた。


「どういう事ですか!?」


梓は黙っている。


「梓さん!」


たまらず青木の声が大きくなる。


「仕方ないじゃない」


投げやりな言い方に行き場のない思いがこもっている。


「そんな……。どうしてそうなるんですか?結論、急ぎ過ぎですよ」


反対に青木の声は弱く、消えそうになる。


「私、分かったのよ」


「何がですか?」


重く、苦しく、切ない空気がゆっくり流れて行く。
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