パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
~永遠の片想い~
「よぉ」
まるで仲の良い友達に会ったかのように声をかけて来た人を、奈桜は見えてないかのように無視をする。
「おいおい、オレは透明人間か?それともお前の目は人を識別出来ないほど疲れてるのか?」
歌番組の収録終わり、帰ろうとしていた奈桜は廊下で一番会いたくない人物に会ってしまった。
その人物は奈桜の気持ちとは反対に、獲物を見つけたかのように目を光らせている。
「待てって」
すれ違い、そのまま行く奈桜にまだ声をかける。
奈桜の口からため息が漏れる。
やはり黙って通らせてはくれない。
「何か用ですか?」
立ち止まり、ゆっくり振り返る。
「挨拶は大事だぞ。奈桜。幼稚園で習わなかったか?」
「人が嫌がる事はしちゃいけないとも習いませんでしたか?幼稚園で。神川さん」