[B L]だからスキって言ったのに



「げ、き…?」




「そ。俺のクラスさ、人魚姫やるんだよ。


今ちょうど、…お、王子役がサボりたがってて…」




「…それ、先輩ですか。」




「う…まぁ、大正解なんだけどさ。」




先輩がバレたか、という顔をしたため、俺は笑ってしまった。



「…やっと、笑ったな。」




「え?」




「や、なんでも。」



「それで、俺が王子役やればいいんですね?」





「うー、まぁ。っつっても、執事のカッコじゃ…」




妙に『王子役』のところが曖昧だな。




まぁいいか。




「あ、スミマセン。劇、何時からですか?」




「んーと、2時。
だから、飯食って急いで3-Bこいよ?」



「了解です!」




俺の気持ちは晴れ、ちゃんと笑うことができた。



天野が何であんなことをしたのか。




俺をからかって、反応を見て楽しんでたとしか考えられない。



「…だとしたら、俺悪いことしたな。」




だってそうだろ?




冗談半分でやったのに、本気にされて、腕まで振り払われて。





何やってんだ俺。




意識してんのは俺だけだって。







天野に、謝らなければ。







そう思うと、足は自然と速度が上がった。





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