俺様王子とキケンな契約!?
「えっ!ちょっと〜。アイスでいい?」
「ん。トリプルね!!」
ふふっと笑って昇降口まで走る理沙。
見かけとか、振る舞いは大人っぽいのにこういうところだけ子供っぽいから可愛い。
ギャップってやつかな。
「待て〜理沙ー!!」
理沙の後を追いかけようとしたとき、後ろから透き通るような優しい声が聞こえた。
「────待って!!」
振り返ると………白馬の王子様!?
「え?…あた、あたし!?」
白馬の王子様は少し息が乱れているように思えた。
「これ、忘れ物じゃない?」
王子様の手のひらには家の鍵が……
「あっ!忘れてた!!」
「星野さんのでしょ?」
王子様はそう言って鍵を渡してくれた。
「帰ってなくてよかった。」
ふっと笑うその笑顔は見覚えのあるものだった。
そう、あのときも────
「あのっ……!!」
「一条く〜ん、どこ〜」
そのとき、どこからかさっきの女の子の声がして……
「じゃあ、気をつけて!」
そう言って、立ち去ろうとする王子様に今度はあたしが引き止めていた。