トライアングル



慌てて彼の後を追うと、彼の歩調が少し緩くなる。



私達はコンビニを出て、肩を並べ歩き始めた。



「坂口さんって、嫌いな物とかある?」


「……え?」



彼の声に釣られ横顔を見上げると、まっすぐ前を向いている凛々しい彼の姿があった。



ーー嫌いな物?



「と、特には、ないけど……」



そう言いながら、私は彼が視線をずらして足元に目をやった。



ーーな、なんか、恥ずかしい!
勝手に萩原さんを意識している。



私がそう答えると萩原さんは、「じゃあ、何でも食べれるね。じゃあそこでいいか」なんて独り言みたいに喋りながら、目的の場所にはすぐたどり着いた。



そのお店は会社からはあまり離れて居ないものの、この辺の地理状かなり複雑に入りくんだ場所になっている為、私はあまり足を踏み入れたことがなかった。




だからこんな可愛らしいお店があるなんてしらなかった。



こんな小さなカフェみたいなレストランがあるなんて。








< 10 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop