トライアングル



「俺とふたりっきりじゃあ駄目?

生憎誘ったのは坂口さんだけなんだけど……」


「……」



私は萩原さんの台詞に絶句した。



わ、私だけを誘ったの!?!



それって、萩原さん的に何か意味があるの?



私の聞いた質問に萩原さんの表情は困惑の色を隠せない。



……聞いてはいけないことを聞いてしまったかな?



でもすぐに、そんな表情は消え失せ「まぁ、とりあえず食べようか?」なんて明るい声色に。



だけど私は、改めて『萩原さんとふたりきり』なんて認識した途端、もうガチガチになってしまって。



だ、だって、好きかもしれない人と突然ふたりきりだよ!



こんな状況滅多にないし、仕事中の萩原さんとは少し雰囲気違う様に見えるし……。



「もしかして坂口さん、緊張してる?」


「……えっ?」



萩原さんの台詞にびっくりした。



って、彼はエスパー?



そんな事はないだろうけど、そんなに私って分かりやすい!?



「それより、なに食べる?このお店、けっこう何でもいけるよ!」




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