トライアングル



萩原さんの言う通り、本当にお料理もデザートも美味しかった。



始めのうちは緊張してガチガチだった私も、美味しいお料理と萩原さんの気遣いでいつの間にか和やかな気持ちになっていた。



「思ったんだけど、坂口さんって何でも美味しそうに食べるよね!」



なんて萩原さんからそんな台詞を言われてしまい、私は赤面してしまう。


それって、どんな意味があるのだろう?
女子力足りないとか!?



けど、萩原さんは始終ニコニコ。


やっぱり、仕事中とは表情が違う。


かなりいつもより柔らかい。



「ほら、妙にちまちま食べる子より、そうやって美味しそうに食べる子の方が俺は好きだし。やっぱり一緒に食べてて気持ちいいよね」



先に出されたお料理を食べきった萩原さんは、そう言いながら私を観察。



私は見られていたことに今更ながら恥ずかしくなり、慌てて残り少ないお料理を口に運んだ。



「うっ、……ゴホッゴホッ」


「ほら、慌てて食べるから。

って、俺が変な事言っちゃったからかな?」



慌てて口の中に物を詰めこんでむせかえる私に萩原さんは水を渡してくれた。



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