トライアングル
でもでも、もしかしたら………。
他にも誰か誘っているのかもしれない。
私だけ誘うとか、ありえないし。
そう思うとなぜか少し寂しい様な切ない様な気持ちが胸の中に広がった。
これって、どういう事?
自分の気持ちなのに、なぜか気付かないふりをする。
だって、彼は私の事なんてなんとも思ってないかもしれないし、ただご飯に誘われただけだし。
それだけなのに、その人の事を好きになってしまうだなんて、絶対にありえない!
うん、絶対にあってはいけない。
そんな事が許されたら、私は後何人の人を好きにならないといけないのだろう?
そんな事ばかり考えながらも、ようやく仕事も上がる時間が近付く。
なんだか考え過ぎて疲れてしまった感は否めないが、それでもほんの少しだけウキウキしている自分がいる。
仕事以外で萩原さんに会える。
例えその他大勢の中のひとりであっても、ちょっとだけ嬉しい。