もう一度抱いて
次の日の午後、私達はスタジオに入った。


早速、キョウセイが新曲をお披露目する。


一曲目はメジャーコードの軽快な曲。


二曲目はバラードで、ちょっとせつない感じだった。


「うん、いいね」


小山君がニッコリ笑う。


「キョウセイ、コード進行のメモ貸してー」


相原君はキョウセイからメモを受け取ると、ベースを演奏し始めた。


小山君もドラムを叩き始める。


どうやら三人でこれから曲の構成を決めていくようだ。


私はどうしたらいいのかな?と思い、立ち尽くしていると。


「永瀬」


キョウセイがギターを弾く手を止めて、私を呼んだ。


「歌詞、イメージしといてね」


長い髪を揺らしてニッコリ笑った。


私は笑顔でコクンと頷いた。
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