もう一度抱いて
ペンションに着くと、夕食の準備はかなり進んでいた。


ずぶ濡れのキョウセイは、おじさんにシャワーを浴びるように言われて、お風呂に行った。


「ごめんなさい。遅くなって」


台所へ行くと、みんなの視線が一斉に私に向いた。


「大変だったわねぇ。雷怖かったでしょう?」


おばさんが心配そうに声をかけてくれる。


「山の天気を甘く見てました。本当にごめんなさい」


そう言って頭を下げると。


「そんなこと気にしなくていいのよ。無事で何よりだわ」


おばさんは優しく笑ってくれた。


その優しさに、なぜか泣きそうになってしまった。


「里桜。京香に会ったでしょう?」


亜美がじゃがいもを持ったまま、私の近くにやって来た。


「マズイなと思って、咄嗟に嘘ついたの。バレてない?」


「う、うん。大丈夫だった」


やっぱり亜美が気を遣ってくれていたんだね。


「それにしてもビックリよね。
まさか泊まりに来るなんて。

でも、私と里桜が一緒に働いてること、京香は知ってたみたいだったわ。

よく許したわよね」


へぇ…。


知っていたんだね。


ちょっと意外だな。
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