もう一度抱いて
そんなキョウセイの姿を見ていた私達は、いつの間にか作業の手が止まってしまっていた。


「キョウセイの彼女って、なんかすごいよな…」


ボソッと呟く相原君。


「さっき偶然聞いてもうたんやけど、あの人おじさんにむっちゃ頼んどってん。
キョウセイと一緒に過ごしたいから、三日バイト休ませてくれって。
むっちゃ必死やから、なんやちょっと引いてもうたわ。
あれはキョウセイにベタ惚れやな…」


相原君の言葉に、私と亜美は顔を見合わせた。


「キョウセイがこのバイトすることを許したのも、自分が泊まりに来れるからだったらしいよ。
さっき言ってた」


小山君がそう言って苦笑いをした。


「でもキョウセイからしたら、俺らもいる手前、イヤだろうな」


小山君の言葉に、亜美と相原君がうんうんと頷く。


私はなんだかずっと、複雑な気持ちだった。

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