もう一度抱いて
一度優しく触れ合って、今度はまた角度を変えて触れる。


私は頭の中がパニックで、目を開けたまま身動きが取れずにいた。


しばらく触れ合った後、唇は離れ、触れていた手もゆっくり離れていった。


しばらく見つめ合う私達。


なに、これ…?


どういうこと?


「えぇっ?」


突然大声を上げる相原君に、ビクンと肩が上がった。


「俺、今何した?」


自分の口を手で押さえる相原君。


「な、何って…」


「えっ?あれ?
もしかして俺、キスした?」


うっ。


そうやって言葉にされると、むちゃくちゃ恥ずかしいんですけどーーー。


「ど、どうやらそうみたいだけど?」


苦笑いしながら言うと。


「うわーーーー!
どないしよ。
何しとんねん、俺。

ごめん、里桜ちゃん。
ほんまごめん」


そう言ってベンチに両手をついて、頭を下げる相原君。


なんだ、それ?


無意識だったのかーーー!
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