もう一度抱いて
なぜか黙り込む相原君。


どうしたんだろう。


「そ、それって。
この前の俺の行動に対して言うてんの?」


「へ?」


思わず間抜けな声が出てしまった。


「もしかして里桜ちゃん。

あのこと思い悩んでんのん?」


心配そうに眉を曲げる相原君。


「あっ、いや。
そういうワケじゃなくてね。
一般論だよ。
私に対してじゃなくて」


「い、一般論て…」


何でも言ってって言うから、思い切って聞いたのにな。


聞くだけ損だったかしら。


「まぁ、そらなー。

好きな子目の前にして、そういうチャンスがあったらしたなるかなー。

あと可愛いなーとか思たり。

けど、こんなん里桜ちゃんに言うたら、この前のこと誤解されそうやん」


苦笑いする相原君。


「誤解してないから安心して。

事故だから、あんなものは」


思わず手の平を彼に向ける。


「なかなか言うてくれるやん」


相原君の言葉に、二人で顔を見合わせて笑った。
< 199 / 479 >

この作品をシェア

pagetop