もう一度抱いて
「じゃあ例えばね。

一回目は事故だったとしても。

もし二回目があったとしたら、それはどうなるの…?」


「え…?」


私の問いに、目を見開く相原君。


「二回、同じ子にキスするってこと?」


「うん」


顎に手を当てて、考え込む相原君。


「それは、もしかしたら一回目も事故やのうて、確信犯かもしれへんな。

それか、一回目のキスで意識してもうて、好きになった可能性もあるかもしれへんし」


相原君の言葉に、うーんと唸ってしまった。


キョウセイの場合、一回目は記憶にないわけだし…。


今の意見は、あんまり参考にならなかったな。


ちょっと残念…。


「えー。でもなんでそないな質問するん?」


突然聞かれて、ドキッと心臓が跳ね上がった。


「え、もしかして」


何?


なんなの?


「里桜ちゃん、もしかして…。


キスされたん?


キョウセイに」
< 200 / 479 >

この作品をシェア

pagetop