もう一度抱いて
俺は寝起きがあんまり良い方じゃなくて、起きて5分くらいはボーッとしてしまうんだ。


その日の朝もやっぱり、同じ状況で。


目の前にいる女の子が誰なのか、今自分がどこにいるのか、どういう状況なのかさっぱりわからなくて。


それで、思わず叫んだんだ。


「アンタ、誰？」って…。


彼女がシャワーを浴びに行っている間に、すぐに全てを思い出したけれど…。


アンタ誰…って、いくらなんでもそれは失礼だよなと、タバコを吸いながら反省していた。


ホテルを出た後、きちんとそのことを謝ろうと思い、コーヒーを奢ると言って彼女をカフェに誘った。


朝見る彼女は、昨日の夜とは別人のような少女で、ホントに同一人物か？と思ってしまうほどで。


だけど、やっぱり可愛いし。


どうしても名前が知りたくて、勇気を出して聞いてみたけれど。


彼女は教えたくないのか、答えてはくれなかった…。
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