もう一度抱いて
私の話を聞きながら、亜美はなんとも複雑そうな顔をしていた。


「それってさ…、京香のもとへ戻ったってことになるのかな?」


亜美の言葉に、チクリと胸が痛む。


「いや、そんなことないわよね。きっと一時的なことなのよ。

京香がもうそんな馬鹿なことしないってわかれば、すぐ戻って来るつもりなんだと思うわ」


京香が大丈夫になれば…?


思わずフッと鼻で息を吐いた。


そんな日は一体いつ訪れるって言うのだろう。


「ねぇ、亜美。

私は今、キョウセイと付き合ってるのかな…?

それとも京香に隠れて付き合う愛人みたいなもの?

それとも…」


「それとも…?」


「ただ、心が繋がっているっていうだけ…?」


キョウセイの心は確かにこの手の中にあるはずだけど。


私はキョウセイのそばにはいられない。


心って見えないから不確かで。


なんて危ういものだろうと思う。


それならいっそ体の関係の方が、よっぽどリアルでいいのに…。


なんてことを思う私は、もうまともにモノを考えられなくなっていた。
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