もう一度抱いて
「私を180度変えたのは、拓真君じゃない。

私ね、あなたに言われた言葉を胸に、この5年間、自分に恥じない生き方をしてきたつもりよ。

自分を好きになる努力をしてきたの。

自分で自分を幸せにしてきたの。

だから、パートナーがいてもいなくても、今はどっちでもいいって感じなんだ。

あ、もちろん。拓真君のことは大好きだよ。

でも、縛ろうなんて、これっぽっちも思ってない」


あっけらかんと笑う京香に、俺は“いーーーーっ!”となった。


「お前、エエ女過ぎんねん!

むっちゃモテるし、俺は不安でたまらんのや。

なぁ、結婚しよ。

俺のこと好きなら、ええやろ~?」


俺の言葉に眉毛を寄せる京香。


でも直後、にっこり可愛い顔で笑った。


「わかった。じゃあ、続けて休みがとれたら、私の母に会ってね」


「ほんまか!ほな、そのあとは俺のオトンとオカンに会ってな」


「ふふ。それは楽しみだわ」


「俺のオトンとオカンは強烈やで。ビックリするかもしれへん」


「拓真君見てたら、大体想像つくわ」


「はー?それ、どういう意味やねん!」


俺らはこの日も、夜遅くまでいっぱい笑って過ごした。
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