もう一度抱いて
「京香、どうしてここに…?」


長い前髪に隠されて、キョウセイの表情はあまりわからないけれど、その声色から驚いているのは伝わって来る。


「どうしてって、ライブを見に来たの。

トモオ君、ライブが終わるまで私とは会えないって言ってたでしょう?

もう終わったから、いいよね…?」


うそ…。


キョウセイ、京香にそんなこと言ってたんだ…。


「今日ここでライブがあるって、よくわかったな…」


「大学の軽音部のホームページを見たの。出演バンドの一覧が載ってたから、それで知ったの…」


キョウセイは今日のライブの事、京香に教えていなかったんだ。


どうして…?


「なぁ。さっきから話が見えへんねんけど、キョウセイと彼女ってどういう関係?」


いつの間にか近くに来ていた相原君の問いに、亜美も私もギョッとした。


「相原君、知らないの?」


「えっ?何?」


「な、何って、京香は磯村君の彼女だよ」


亜美の言葉に、相原君と小山君は同時に「えぇっ?」と大きな声を上げた。


「マジで?いつの間に…」


黙ったまま立ち尽くすキョウセイを、京香はせつない顔でじっと見つめていた。

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