もう一度抱いて
キョウセイに突然名前を呼ばれて、思わずビクッと肩が上がった。


ゆっくりキョウセイの方へ視線を向けると、彼は長い前髪の隙間から鋭い眼光で私を見つめていた。


「もうそれくらいにしておけ」


キョウセイの声に、怒りが感じられる。


どうして?


なんで怒ってるの…?


「なんや?キョウセイ。
里桜ちゃんはお酒強いし、別に平気やろ」


相原君が軽い口調で言った。


「違う!永瀬は…」


そう言いかけて、キョウセイはグッと下唇を噛んで目を伏せた。


永瀬は…何?


キョウセイ。


何て言おうとしたの…?


もしかして。


私がお酒に強くないって。


そう言いたかったの?


どうして…?


もしかして、心配してるの?


あの日みたいに酔っ払って、隣にいる相原君とホテルに行くとでも思った?


そんなこと…。


そんなの…。


誰とでもするわけじゃないよ。


キョウセイだから、行ったんだよ…っ。
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