禁域―秘密の愛―【完】
「瞳ちゃんって言うのかい?偉いねぇ。若い子は、こんな年寄りなんて困っているのを見ても、見ぬフリをするのがほとんどなのにね。ありがとう」
「いや、そんな………」
おばあさんに褒められたら、なんだか照れてしまった。
当たり前だと思うことをしただけ。
なのにこんなに感謝されることになるとは思わなかった。
「巧。この子はわざわざ自分の傘を差し出して、私の荷物を運んでくれようとしてくれたんだよ。本当に良い子だね」
「………そうだな。俺もちゃんと見てたよ、綾瀬の行動を」
そう言うと桐谷君はフッと微笑した。