禁域―秘密の愛―【完】
「そうだ。 綾瀬」
「えっ?」
「………せっかくだから、荷物運ぶの手伝ってくれないか?人手は欲しいしな。
それに、ばあちゃんは話好きなんだ。ぜひ相手をしてくれ。 俺は飽きたから」
「まあ!失礼な孫だねぇ!まったく、人生の先輩に向かって、その言い草はないだろう?ねえ?瞳ちゃん」
「あ、あの………でも、私、お邪魔になりませんか? 」
手を差し伸べていて思うことではないと思う。
けれど………、孫とおばあさんの水入らずの方が、他人の私が入るより絶対に良い気がする。
「………あのな、邪魔ならそんな事言うわけないだろ? それくらい気付け」
「えっ」
桐谷君の言葉に………驚いた。
桐谷君、私のこと鬱陶しいとか思ってないの?
初めて言われたことが"邪魔"だったから、心に引っ掛かっていた。
鈍臭く、とろい私なんて桐谷君にとっては、苛立つ存在かもしれないと………。
だから、彼の事がもっと怖くなった。
だけどーーー
「こら、巧!そんな言い方だからいつもあんたは、冷たいだの怖いだのって誤解されるんだよ。
ごめんね、瞳ちゃん。こんなに言葉と表情がつたない孫で」
「この言い方以外にどうやって言えっていうんだ………」