禁域―秘密の愛―【完】


高校最後の年となれば、やはり持つものは、信頼ある友人だ。

愛ちゃんと同じクラスになれたことでそれを再認識する。


でも………


「あ、あの、愛ちゃん」

「ん?」

「えっと……….その、」

「あ〜。はいはい。分かってるってば。
愛しい愛しい、瞳の彼氏の桐谷君が同じクラスかどうかってことでしょ!」

愛ちゃんは、ニヤリと笑ってそう言った。

「な、何で分かったのっ!?」

「いや、思いっきり顔に出てるし」

愛ちゃんに、すかさずつっこまれた。

や、やっぱり私ってそうなのかな………?

「ふふ。あたしはもう知ってるよ?」

「へっ?」

「桐谷君は………」

「う、うん………」

しばらく、沈黙が流れる。

………なんだろう、この沈黙。



こ、怖い………!!



「ーーー違うクラスです!」

愛ちゃんは、明るい声でそう告げた。

「え、ええっ!?」

そんな………。

巧と、同じクラスじゃないんだ………。
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