禁域―秘密の愛―【完】
「そんな………」
高校最後だからこそ、巧と一緒のクラスになりたかったのに………。
「おい、何言ってる? 関口」
「へっ?」
不意に、後ろから声がして振り向くと
「巧っ!」
多少、どこか呆れ顔を浮かべた巧がそこにいた。
「あら。桐谷君、ご機嫌いかが?」
ニッコリ巧に笑いかける愛ちゃん。
だけど、巧はしかめっ面をし、愛ちゃんを見つめる。
「ご機嫌いかが、じゃないだろ………。 お前は何で瞳にデタラメを教えてるんだ?」
「えっ?」
私は耳を疑った。
巧………、何を言おうとしてるの?
「瞳も、お前も、俺も。同じクラスだろ?クラスメイトはほとんど変わってなかったぞ」
「えぇっ!?」
お、同じクラス?
私は驚いて、愛ちゃんの顔を見た。
愛ちゃんはーーー
「え〜〜〜! つまらない。もうばれちゃった?」
うーんと首を捻らせ『もう少し、声を張り上げて演技すればよかったのかも』などとブツブツ言ってる。
えっと………つまり。
「私、騙されたの?」
そしてーーー、今年も巧と………同じクラス。