禁域―秘密の愛―【完】


「あ、あの………」

「ん?」

「………お、お暇ですか?」

「え? いつ?」

「20日………」

私がそう言うと、巧は驚いた顔をした。そして、優しく微笑んだ。

「……….なんで?」

けれど、巧は一言も"誕生日"という言葉をださない。

まるで私がその言葉を言うことを期待しているかのようだ。

「だ、だって、その………っ」

「言わないと分からない」

巧が、意地の悪い笑みを浮かべる。

絶対、わざとだ………!

私にどうしても"誕生日"って言葉を言わせたいんだ。

「意地悪っ………」

私がこういう事をハッキリ言うのを、苦手だって事知ってるのに。

「………瞳の口から聞きたいんだよ。ん?20日が何だって?」


ああ、もう。本当にこの人はーーー


「だから………っ、20日、巧の誕生日でしょ?お祝いしたいのっ………!2人で会いたいのっ………!」

私は観念しそう言った。

ああ、もう………! 顔から火が出そう。
< 158 / 714 >

この作品をシェア

pagetop