禁域―秘密の愛―【完】



「いや………。そんなに笑顔で返事をすると思わなかったから。こちらこそ、ありがとう」

しかし、どこか照れたように、ありがとうと言ってくれた桐谷君がそこにいた。



…………そんな桐谷君を見て、なぜだか、今までにない胸の高鳴りを感じた。



………何?これ?



「う、ううん………」

なんだか私は一気に気恥ずかしくなり桐谷君から目を逸らし、俯いた。

「………あらあら、若いねえ」

そんな私達を見て、おばあさんは何を思ったのか嬉しそうに笑っていた。


ーーーーーーーー


ーーー帰り道。

桐谷君は自宅まで送ってくれると言い、私達は2人きりで歩いた。

あんなに怖かった桐谷君と2人で歩いている。すごく不思議だ。

「………ばあちゃんの事、ありがとう」

不意に、桐谷君が口を開いた。

「う、ううん!私にできることあらば、手伝うよっ………!」

「ハハッ、あらばって。日本語変だろ?」

「だ、だって…………」

だって、男の子と2人きりで歩くの初めてだから緊張するよ………!


< 16 / 714 >

この作品をシェア

pagetop