禁域―秘密の愛―【完】
「いや………。そんなに笑顔で返事をすると思わなかったから。こちらこそ、ありがとう」
しかし、どこか照れたように、ありがとうと言ってくれた桐谷君がそこにいた。
…………そんな桐谷君を見て、なぜだか、今までにない胸の高鳴りを感じた。
………何?これ?
「う、ううん………」
なんだか私は一気に気恥ずかしくなり桐谷君から目を逸らし、俯いた。
「………あらあら、若いねえ」
そんな私達を見て、おばあさんは何を思ったのか嬉しそうに笑っていた。
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ーーー帰り道。
桐谷君は自宅まで送ってくれると言い、私達は2人きりで歩いた。
あんなに怖かった桐谷君と2人で歩いている。すごく不思議だ。
「………ばあちゃんの事、ありがとう」
不意に、桐谷君が口を開いた。
「う、ううん!私にできることあらば、手伝うよっ………!」
「ハハッ、あらばって。日本語変だろ?」
「だ、だって…………」
だって、男の子と2人きりで歩くの初めてだから緊張するよ………!