禁域―秘密の愛―【完】
「………そんなに、怯えるな」
「ごっ、ごめん………」
このままじゃ桐谷君に不愉快な思いしちゃうよね………。
どうしようっ、ええと…………っ
「そっ、のっ………きっ、緊張してっ」
「ーーーえ?」
「だっ、だから、緊張するのっ………。男子と2人で帰った事が………ないから」
ああ………、恥ずかしくて顔から火がでそう。
高校生にもなって、そんなことさえまだだなんて。
周りの女子は、どんどん男の子と恋をして、それなりに経験を重ねているのに。
…………バカにされても仕方ない。そう覚悟した。
何せ相手は、学校一の憧れの的、桐谷君だから。
「だから………、そんなに緊張してるんだ?」
案の定、おかしそうに笑う桐谷君。
ほら、やっぱり!
「っ…………! だから、言いたくなかったの!」
私は泣きたい気持ちで桐谷君を見た。
………いや、きっと実際には少し泣いていたと思う。
けれどーーー
「………ああ、ごめん。馬鹿にしてるんじゃない。なんて言うか………」
「え………?」
「綾瀬らしいって思って」