禁域―秘密の愛―【完】
「また……私に気を遣って嘘をつかなくていいんだよ?瞳」
「愛ちゃん………」
………やだ。ここ、教室なのに。皆が見ているのに。
何だか泣きそうだよ…………。
その時だったーーーー。
「………あっ」
愛ちゃんが声を張り上げ、視線を教室のドアの前にうつす。その先には………
「巧………」
「桐谷君………」
今にも泣きそうな私を………戸惑ったような、だけどどこか悲しそうな顔をして見ている巧がいた。
「………瞳」
巧は、自分の席に鞄を置くと私に近付く。ーーーーそして、いきなり私の腕を引っ張った。
「ッ、巧っ?」
「ーーーー悪い、関口………ちょっと、先生に上手く言っといてくれ。瞳と俺、ホームルームサボる」
「あ………ちょっと、桐谷君!」
愛ちゃんの言葉も聞かないまま、巧は私を屋上まで引っ張っていく。
そして、屋上に着いた瞬間………
「瞳……」
私を強く、きつく抱きしめた………。
「昨日は………悪かった。本当に………あんな、寒い中、ずっと待ってたんだろ………?」