禁域―秘密の愛―【完】
「巧………」
その腕に抱きしめられた瞬間………一気に安堵感に包まれた私は、涙をこぼしていた。
「っ………巧、ずっと待ってたんだよ………?もう来ないかもって………巧に何かあったかもしれないって、私、色々と不安で………」
「悪かった……本当に……悪かった……」
そう言う………巧の声も震えていた。
「………思ったより、誕生会が長引いたんだ。多くの人間に挨拶をしに行くから時間もかかって………携帯も見るヒマも無かったんだ」
「本当……?」
「……ああ。………俺だって、本当は瞳との約束をすっぽかしたくなんて無かったよ」
巧はそう言って、笑った。
だけどーーーー
「………本当に、それだけだよね?」
何か………巧の表情に陰りが消えないのは気のせいだろうか?
「何か………また、一人で抱えたりしてないよね?」
私がそう言うと………巧は首を横にふった。
「………大丈夫だ。瞳が心配することは何もない。それより………しばらくこうさせてくれ」
巧は私の身体を抱きしめ続けた。昨日、凍えていた身体が一気に暖まるようだった。