禁域―秘密の愛―【完】
「瞳…………」
「…………何?」
「…………俺から、離れないでくれ………離さないでくれ。お願いだから…………」
巧が私を抱きしめながらうわ言のようにそう言う。
何を…………言っているんだと思った。
私はーーーー、ここにいるのに。
「巧………何言ってるの?私は、ここにいるじゃない………。何度も言ってるよ?私が巧から離れるなんて絶対ないよ…………」
私がそう言うと、巧はハッとしたように顔をあげ、そしてどこか不安そうな表情をしながらも笑った。
「そうだよな…………そうだった」
「そうだよ…………」
どうしてだろうーーーー。
巧の腕は温かいのに………ちゃんと笑ってくれているのに。
こんなに………不安になるんだろう?
ーーーー思えば、この時から巧も………そして私も気付いていたんだ。
そう遠くない未来に待ち受ける私達のサダメを…………。