禁域―秘密の愛―【完】
「今日………電話してみようかな」
巧が忙しいのは、重々承知だ。
だけど………巧の声が聞きたくてたまらない。
そう思っているといつの間にか教室に着いていた。私は鞄をとろうと教室のドアを開けようとした。
だけど………
「だから……本当なんだって!」
「えーーーー?でも………桐谷君って、綾瀬さんと付き合ってるじゃん」
教室で、2人のクラスメイトの女の子が
そう喋ってるのが聞こえ、私は思わずドアを開ける手を止めた。
何の話………?どうして、巧と私が話題にでてくるんだろう………?
「でも、確かに見たの。藤崎プリンスホテルってあるじゃない?あそこで何度か、桐谷君と髪が長くてお嬢様っぽい綺麗な女の子が二人で入って行く所!しかも私、聞いちゃったのよ………」
「聞いたって、何を?」
「最初にその二人の傍にいたのは………そう。多分………どことなく桐谷君に似てたから桐谷君のお父さんだったんだけど。こう言ってた………二人はお似合いだなって。やっぱり婚約者だからか………って。恐らく、女の子の両親と話しているのを聞いたの」