禁域―秘密の愛―【完】
「綾瀬は………それで深く傷付いてる。前、綾瀬に傷をつけようしたのは俺かもしれない。………けど、今回は違う。桐谷………お前が、綾瀬を傷付けてるんだ」
「………っ」
唇を噛み締め……藤咲君の言葉を受け止める巧。
そして…….いきなり私の腕を引っ張り
「ーーーー瞳!来るんだ!」
「えっ………!?」
私を引っ張って、どこかへ連れて行こう
とする。
「ちょっと……巧っ……!?」
「っ、おい、桐谷っ!」
巧は駅を出て近くにいたタクシーを捕まえ、私を乗せる。
「早く行ってください。ーーーー早く!」
「桐谷………!」
タクシーが言われるがままに発進する。藤咲君の姿が………小さくなってゆく。
「っ、巧………」
タクシーでなんて、逃げる隙なんてないのに、巧は私の腕を強く掴んだままで………何も言わない。
「巧……巧っ……」
名前を呼んでも……振り向いてもくれない。
巧………、もう……私、あなたがわからないよーーーー。