禁域―秘密の愛―【完】
「だから綾瀬は、そのままでいいんじゃないか」
ーーーそのままの私。
ありのままの私………。
桐谷君は、否定しないんだ。
「っ………」
思わず、また泣きそうになった。
私のままで。そのままでいいんだ…………。
「ありがとう………。私、今日、桐谷君と一緒にいられて本当に良かった………。いつも怯えててごめんね?」
「………っ、あ、ああ。あのさ………、綾瀬」
「んっ?」
心なしか、桐谷君は少しだけ動揺しているように見えた。
「………こ、これからは周りを頼れ」
「え?」
「教室の雑用も、他人の言う事も、綾瀬は全部受け入れすぎてると思う。
………だから、周りを頼れよ。綾瀬の何かの役に立ちたいっていう気持ちは分かる。けど………、一人でどうにかなるもんじゃないだろ」
桐谷君、ちゃんと見てくれたんだ。私のしていたこと………。
「………ありがとう」
嬉しい………。凄く嬉しい。
こんなに心が癒されたのは、いつ以来だろう?