禁域―秘密の愛―【完】
「巧…………」
ーーーーただただ、悲しかった……。
ずっとこれからも、巧との将来が約束されているなら…………こんな言葉なんて笑い飛ばせたのに。
「………瞳、ごめんな。瞳の具合が悪いのは分かっていた。けど………もう時間が俺にはないから。一秒でも、長く瞳といたくて………家まで来たんだ」
「え……?」
一瞬………頭の中が混乱した。
まさか…………、巧はーーーー
「……瞳」
巧が私の目をどこか揺れた瞳で見据える………。
ーーーーいやだ、本当は何も聞きたくない。聞きたくない…………!!
「…………一緒に、旅行に行ってくれ」
………それは、嬉しい言葉のはずなのに。
今の私には、世界で一番残酷な言葉だったーーーー…………。
「………何度も説得した。向こう側に優位な条件を提案し、改善してはまた、説得しにいくの繰り返しで………けど、桜庭家は、無理だと一点張りだった。桜庭家のお嬢さんと付き合わなければこちら側を潰しにいくとまで………言われた」
「そんな………」
「ごめん…………瞳。俺に、力が無いばかりに………こんな結果になって………」