禁域―秘密の愛―【完】


かれんちゃんは、大学進学後、自分自身も療養しながら藤咲君のお父さんが勤める病院の事務員として働いている。

身体の弱い彼女は、体力を使う仕事はできない………ということで自分の進むべき道がかなり狭まっている事に悩んでいたけれど、今の仕事をそれなりに楽しくやっているようで安心している。


柴咲君も一浪したものの有名国立大学の医学部に合格し、かれんちゃんと同じ病院で内科の研修医として立派に働いている。

ちなみに二人は、最近同棲を始めたらしい。


そしてーーーー



「あっつい……」


8月のお昼時のランチ時間。
私は、お弁当に合うお茶とちょっとした、おやつを買おうと思い近くのコンビニへ向かった。

外はとても暑くて、一歩でも外へ出たら汗ばんでしまう。
私は暑さに耐えながら、少しでも触れたら火傷しそうな歩道を歩いた。



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