禁域―秘密の愛―【完】


暑さに耐えながら、やっとの思いでコンビニに着いた時だった。


「待った?タクヤ?」

「おせーーーよ、ユリ!何かあったかって心配しただろ?」

「ごめーーーんっ!部活、長引いちゃって………次からはちゃんと連絡するね!」

制服を着た高校生カップルがコンビニの前で待ち合わせしていたようだった。女の子は心配かけていた様子の男の子の腕に自分の腕を絡めると二人は幸せそうに歩いていった。



…………高校時代。



「巧………」

夏ーーーー。制服の高校生

あなたを…………思い出さずにはいられない。

少し暑さが和らいだ夕方、高校生だった私は学校の休息所であなたに告白された。


そして…………約一年後の同じ季節に、あなたと別れた。



どうしても、目の前に立ちはだかる現実に抗うことができなかったーーーー。


あの後………巧と福岡で一夜を過ごした後、私達は別れた。

私はその後も巧と恋人同士ではなくなったものの学校では会うものだと思っていた。


けれど………巧は、二度とその後私の前に姿を現さなかった。




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