禁域―秘密の愛―【完】
「………綾瀬。いた」
ーーーそんなある日。
学校で担任の先生に頼まれ、私はクラスの花壇に水をやっていた。
そこで、桐谷君が話しかけてきた。
「桐谷君っ?どうしたの?」
私は、桐谷君が学校で話しかけてくれるなんて、思わなかったので、驚きながら彼に駆け寄った。
「話があって。………ここなら、誰も居ないから。綾瀬も安心して話せると思った」
そう言って笑う桐谷君。
気付いてたんだ………。私の気持ち。
それだけで、心が温かくなった。
「ありがとう………。桐谷君」
私は笑顔で、桐谷君にそう返した。
恥ずかしくてこれ以上は言えない。
けれど、不器用な私の気持ちを桐谷君はいつも汲み取ってくれる。
なので、感謝してもしきれない。
「あ、ああ。いや、良いんだ。………それより綾瀬、また何か担任に言われたのか?」
「うん。水やりをしてくれって。でも、私、ガーデニング大好きだから構わないの。自分が手塩にかけて育てた植物が成長していくの見ると嬉しいし、負けないように頑張ろうって思うから」