禁域―秘密の愛―【完】
カタツムリは………、私の敵だ。
「やだよ、やだよッ!近寄らないでよーーーッ!」
「…………!? 綾瀬ッ!」
「ヤダーーーッ!」
カタツムリから逃げ回っていた矢先………目の前が急に変わった。
「………っ?」
あ、ーーーあれ?
………視界が真っ暗だ。
「………大丈夫か?」
「ーーーッ!?」
なんと耳元で桐谷君の声がした。それがあまりにも近くて、驚いた。
まさか………
「き、桐谷君ッ………」
思った通りの展開だった。
いつの間にかパニックのあまり、私は桐谷君を押し倒し、彼の胸元に抱かれていた。
「ご、ご、ごめんなさいッ!!」
カタツムリが怖かったとはいえ、芝生だったとはいえ、とんだ迷惑を………!!
これ以上、迷惑をかけられないと思い、私は桐谷君の胸元から離れようとした。
しかし………
「………綾瀬」
桐谷君は放れるどころか………、私をそのまま強く抱き寄せた。
「ーーーっ!」
話される耳元がとてもくすぐったい。そして、それに羞恥を煽られる。
顔から火が出そうだ。
「き、桐谷君っ………!」
心臓がっ………、心臓が限界だよっ………!