禁域―秘密の愛―【完】
「………綾瀬。話、だけど」
「え………?」
ーーー何、を………?
「………綾瀬」
「………っ」
耳元で声をかけられ、同時に私の身体は震えた。
だから、心臓も、身体も、何もかもがもたないよーーーっ!
「今度の休み………だけど。一緒に出かけないか?」
「あ、ああっ!うんっ!いつも通り、おばあちゃん家だよね!楽しみだなっ………!い、いつにするっ?」
「いや、そうじゃなくて………。
………やっぱり、綾瀬にはハッキリ言わないと伝わらないか」
桐谷君はそう言うと、ふぅと息をついた。
「今回は、ばあちゃん家じゃない。だから、その………、お前と2人で会いたいんだ」
「へっ………?」
………私と2人で会いたい?
ここまで言われたら、いくら鈍い私でも理解できる。
私、桐谷君にデートに誘われているんだ。
人生で、初めてのデート………。
まさか、あの桐谷君から誘われるなんて………。
「………嫌か?」
また、桐谷君に耳元で囁かれる。あまりにもその吐息が熱くて、身体中に巡ってくる。
でもその感覚も、抱き締められてるのも、デートに誘われているのも。
………私、全く嫌じゃない。