禁域―秘密の愛―【完】
『あぁ、ゴメンゴメン。…………まぁ聞いてよ、綾瀬さん。本当に俺には怒ってばっかだよね?せっかくの可愛い顔が台無しになるよ?」
「…………」
…………本当にイライラする。
「…………園屋さん」
『ん?』
「私………忙しいので。電話切りますっ!」
本当に………このチャラ男はっ!
『わーーーーっ!待ってよ、冗談だろ?………それに、本題はここからだよ』
本当に、その本題とやらに入るのかな?この人は………。
「はぁ……早く言って下さい」
『ーーーーそんな所だよ』
…………不意に園屋さんの声の音色が真剣なものに変わった。
『君は…………、本当の俺を見て、ちゃんと意見を言って評価してくれている。今まで………俺の周りにそんなヤツは誰もいなかった。
友達も、女も、会社の人間も、………親でさえも。君の言った、外面だけを見て俺に媚びる事しかしなかった。俺の顔色ばかり伺って、本気で俺にぶつかってくるヤツなんでいない。
ずっとそれが………どこか寂しくて仕方がなかった。本当の俺を見ているヤツは誰もいない。だから、せめて………外面だけ見てる連中をかき集めて思いっきりコイツらを気が済むまで利用してやろうって思ってたし、ずっとそんな調子だった。綾瀬さん………君と出会うまでは』
「え……?」