禁域―秘密の愛―【完】
“また、日程は連絡しあおう”
そう言われ、桐谷君がが用事のため帰った後、私は放心状態だった。
こんなに突然………、自覚するなんて。
桐谷君の事が好きだってーーー。
「どうしようっ………」
まだ、頬の熱は取れない。
桐谷君の胸に抱かれた感覚も、頭から離れない。
ーーー次からどんな顔をして、桐谷君と接したらいいの?
「桐谷君………っ」
私はその場に固まり、しばらくの間何も出来ず、周りの事も見えなくなっていた。
だから、気が付かなかった。
………私を、見つめる影が別にあった事に。
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「………あれ?」
ーーー数日後。
私は校舎の靴箱前で、立ち往生していた。
「上履きがない………」
上履き用のシューズが、なぜか無かった。
靴箱を間違えたかと思い、靴箱に貼られた名前シールをもう一度確かめた。
けれど“綾瀬 瞳”ときちんと書かれてある。
「どうした?瞳?」
そんな私に、愛ちゃんが訝しげに声をかけてきた。