禁域―秘密の愛―【完】



“また、日程は連絡しあおう”

そう言われ、桐谷君がが用事のため帰った後、私は放心状態だった。

こんなに突然………、自覚するなんて。


桐谷君の事が好きだってーーー。

「どうしようっ………」

まだ、頬の熱は取れない。
桐谷君の胸に抱かれた感覚も、頭から離れない。


ーーー次からどんな顔をして、桐谷君と接したらいいの?



「桐谷君………っ」


私はその場に固まり、しばらくの間何も出来ず、周りの事も見えなくなっていた。

だから、気が付かなかった。


………私を、見つめる影が別にあった事に。

ーーーーーーーー

「………あれ?」

ーーー数日後。

私は校舎の靴箱前で、立ち往生していた。

「上履きがない………」

上履き用のシューズが、なぜか無かった。
靴箱を間違えたかと思い、靴箱に貼られた名前シールをもう一度確かめた。

けれど“綾瀬 瞳”ときちんと書かれてある。

「どうした?瞳?」

そんな私に、愛ちゃんが訝しげに声をかけてきた。

< 30 / 714 >

この作品をシェア

pagetop