禁域―秘密の愛―【完】
「う、ううんっ」
余計な心配をかけたくなくて、私は首を横に振った。
けれど、愛ちゃんはすぐその異常に気が付いた。
「………シューズは?ないの?」
その強い言い方に、私は頷くしかなかった。
「………きっと、誰かはき間違えたんだよ!私、職員室に行って来客用のスリッパはけないか聞いてくるね」
「えっ? 瞳!ちょっと!」
私は、愛ちゃんの心配そうな顔をよそに職員室へ向かった。
きっと気のせいだ。今回は誰かがはき違えただけ。
感じる嫌な予感を振り払うように、私は強くそう思った。
ーーーしかし、嫌な予感は当たるもの。
「何これ……… ?」
教室に入り席に着くと、机の中に大量の紙屑が入っていた。
置きっぱなしにしていた数札の参考書も無惨に破かれている。
それらは、私の嫌な予感を確信させるには充分だった。
「誰がこんなこと………」