禁域―秘密の愛―【完】
優斗は私に近付くと、腕枕をしてくれた。
「優斗…………」
なんて、心地のいい腕だろう。
「………そうだ」
「ん?」
「瞳、今度のデートは………天体観測か、プラネタリウムに行こうか?本格的にさ。ほら、8年前くらいにオープンした所があるだろ?」
「えっ…………」
その優斗の言葉に…………胸が、痛んだ。
そこは、きっと巧と行ったプラネタリウム…………。
私は、巧と行って以来そのプラネタリウムを何と無く避けていた。
それは、きっと私がそこに行けば、冷静になれないから…………巧との思い出が詰まった場所だから。
けれど…………
「…………うん、行こう」
きっと…………優斗となら大丈夫。この痛みも忘れられる…………そう思った。
「お、じゃあ決まりだな。今度の休みが楽しみだ」
「うんっ」
ーーーーきっと大丈夫。
だって、私は真っ直ぐに、巧が望んだ未来に向かって歩いているのだから。