禁域―秘密の愛―【完】


次に、優斗と会うのは11月。祝日の文化の日だ。

今は10月前半。それまで、優斗は色々と忙しくなって会えないらしい。けれど、少しでも時間が作れたら必ず連絡をすると言ってくれた。

付き合っていない時も、園屋物産の後継者として忙しい優斗に合わせていると、ランチやディナーだけ一緒にということがよくあったから慣れている。

でも、11月まではかなり忙しいだろうから………11月になったら、愛ちゃん達に会ってもらえないか聞いてみよう。

楽しみだな…………。

これからの、未来。これからの歩む道が…………。





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「綾瀬!今度の新製品のパブリシティの件、部長と念入りに打ち合わせしといてくれ」

「はい、わかりました」

ある日のことだった。いつも通り忙しく働いていると………携帯が鳴った。
もう定時は過ぎていて残業になっていた日だった。新製品の秋季限定アイスの公の発表がすぐそこに迫っていて、宣伝部はいつも以上に、慌ただしかった。

「誰かな…………」

確認したいのは山々だけど、忙しい。




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