禁域―秘密の愛―【完】
「原口さんには、連絡しといた。有給を取ってしばらく安静にしとくように、って。プロジェクトは残りのメンバーでなんとかすると」
「そんな、私も…………、っ」
また、頭がクラクラしてきた。今度の新商品は、会社が力を長年入れてきたとても大切な商品なのに。
「瞳………頑張りたいのは分かる。でも、きちんと休んで体調を整えるのも社会人の務めだよ。聞くには、瞳は三好に入社してからほぼ有給を使ってないようだね。それなら他のメンバーも許してくれる」
「でも………」
「いいから。これ以上無理すると許さないよ、俺」
「優斗………」
あまりに、強い言葉に私は何も答えられなかった。
「言っただろ?ゾッとしたって…………。本当に、心臓が止まるかと思ったんだよ。瞳に何かあったら俺は…………」
そう言うと、優斗は私の手をギュッと力強く握りしめた。
私、優斗にとても心配させたんだ……………。
「ごめんね…………優斗」