禁域―秘密の愛―【完】
「どうした?」
「あ、その…………誰か、来なかった?他に…………」
「誰か? ーーーーああ」
優斗は何か思い出したようだった。
「うん、来たよ。朝香(あさか)の婚約者が」
「…………あさ、か?」
「あ、朝香っていうのは、ほら。前に話した俺の従姉妹。で、その婚約者がさっき来た。仕事でちょっと、協力してもらっててそのことの書類を届けてもらった。ほら、前にも言ったとおり彼は凄く頭脳明晰で、園屋の社員に欲しい位なんだよな。そしたら、直ぐ幹部候補だよ」
「そ………うだったんだ………」
「ああ。あ、そういえば、薬局に行って帰って来た時、俺の部屋から彼がでてきたから、廊下で鉢合わせになったな。どうやら彼はリビングと間違えたらしい。まあ俺が来てくれと頼んだんだけどな………。急にマンションに帰ることになったし、鍵も開いてるから入っててくれと言ってね。…………もしかして、目が覚めてた?」
「あ………うん。ちょっと目が覚めたら人影が…………優斗じゃない人影があったからビックリして…………でもまた、その後直ぐに寝たよ」